八塚氏が「一応、本田選手はベンチスタートということで、入れるとこうなるかなという感じですが」と、本田を武藤の位置に置くプランを示した。その上で「本田、香川、岡崎というのは、よく我々が言う『ビッグ3』ですが、これ岡田さん...」と言うと、岡田氏は「なんでビッグ3なの?」と率直に疑問を示した。

八塚氏は「いやいや、海外での経験値を踏まえて、精神的支柱にもなり得る。テクニックもしっかりしている」と話したが、岡田氏は「え?ううん。そんなに買ってるなら、最初から(予想スタメンに)入れておけばいいのに」と笑い、「JFLばっかり見てるから分かんねえよ。誰がどうしたとか。新聞記事くらいでしか分からないから。まあ、いいんじゃないの」と煙に巻いていた。岡田氏は現在JFLのFC今治の運営会社で代表取締役を務めている。

 南アフリカW杯では、土壇場での大胆な戦術変更を経て日本代表をベスト16に導いた勝負師。その時1トップとして攻撃の柱になったのは、本田だった。

そんな岡田氏は、メンバーを決めるまでには「めちゃくちゃ苦しみますよ」という。背景には監督としてのこんな考え方がある。「美学じゃないけど、日本の指導者は『チーム作り』と『采配』とがあると、チーム作りの方にすごく執着する。相手を研究し、メンバーや交代の仕方、こういう場合どうするか、とか考える『采配』で勝つのは邪道だと思ってる人がまあまあ多い。僕はあらゆることをシミュレーションしている。こいつがケガしたら、残り10分でこうなったら...。妄想みたいにずっと試合の展開を考えてる」

「上から上手いやつ23人を選べばいいんじゃなくて、シミュレーションしてずっと妄想しているわけ。そうやって決めて、大体こういうメンバーで、と考えてると妙にストンと落ち着くときがある。大体無理矢理落ち着かせてるんだけど」

ここで八塚氏が「W杯で戦うコロンビア、セネガル、ポーランド、当然スタイルが違う。それ用にメンバーを組むんですね?」と聞くと、岡田氏は「まず自分達のメインがないと『それ用』はできない。メインがあって微修正していく。ポーランド代表にレバンドフスキがいるならマンツーマンつけて10人対10人で戦うとか、そういうことを考える。でもベースの戦い方がないことにはそれもできない」と自身の采配術を語っていた。


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